リフトチームって何?

コラム

アメリカやオーストラリアで目にすることの多い「リフトチーム」は、「ベッドから車椅子」「ベッドからストレッチャー」などへ患者さんを移動することを目的としたメンバーで構成されたチームです。

これは、西洋ならでは?の問題でもある「大きな体格の人たちを持ち上げる」ことを現実的に実行するために作られたようです。体重100キロ超えの患者さんがザラにいる環境が、リフトの技術や機械も進化させています。やはり必要に迫られるという環境があったことで、人が人を持ち上げるのではなく、機械を使用し、医療者への身体的な負担なく効率的に移動するということが求められていたのでしょう。

日本では、今でも看護師の仕事の一つでもある移動業務。一人で患者さんを抱えることもありますが、それもこれも「ギリギリ出来る範囲」の患者さんの体型が、日本における移動業務の進化が進んでいない要因でしょう。

リフトチームにデモをお願いしました。皆さん、すでに体格もよくかなり筋肉隆々な方々ですが、かといって、この方々が直接患者さんを持ち上げるのではなく、専用の機械を使用してベッドから移動をします。

機械セットから移動時間を含めても5分程度ということで、スムーズに体を痛めることなく、移動が出来るというのはとても画期的です。日本の看護師は、自ら患者さんを移動させるということが自然に身についていますが、それによっての腰痛の問題も抱えているのは事実。

日本人の精神的、体型的に「抱えられるから自分でやる」時代から看護業務も進化し、補助器具を十二分に活用し、身体的な負担なく看護が提供出来るようになることで、看護の3A(安全、安心、明るい)に繋がるのではないでしょうか。