No.27 水崎眞知子様(文化ランゲージスクール)前編「ビジネス日本語クラスをシンガポールで唯一開講」

No.27 水崎眞知子様(文化ランゲージスクール)前編「ビジネス日本語クラスをシンガポールで唯一開講」

  • 2017年7月28日
  • インタビュー
No.27 水崎眞知子様(文化ランゲージスクール)前編「ビジネス日本語クラスをシンガポールで唯一開講」
No.27 水崎眞知子様(文化ランゲージスクール)前編「ビジネス日本語クラスをシンガポールで唯一開講」

27回目のインタビューは、文化ランゲージスクールの水崎眞知子先生よりお話をお伺いさせて頂きました。

あっという間の36年

水崎先生は、シンガポールにはどの位いらっしゃるんですか?

水崎先生:1981年の4月からなので、36年ですね。

シンガポールに来る前は東京で貿易関係の仕事をしていたのですが、シンガポールでは、最初の日本語学校で20年、現在の学校で16年教えていますので日本語教師歴も36年です。あっという間でした。

インタビュアー:なぜ日本語教師を選ばれたのですか。

もともと英語を勉強されていたことは関係しているのでしょうか。

水崎先生:中学2年生の時の恩師のお陰で最初は嫌いだった英語が好きになり、それ以来、ずっと抱いていた英語が活かせる仕事をしたいとの思いから、東京で貿易関係の仕事に就きました。その時に、偶然、当時は珍しかった日本語教師養成講座の広告を新聞で目にし、興味を持ち受講したのがきっかけです。

また、勤務先の社長のご好意で、バンコク支社への出張という形で、シンガポール・バンコク・香港を回るグループツアーに参加させていただき、初めてシンガポールを訪れました。

シンガポールで単独行動中に道に迷ってしまい、道を教えてくださった親切な方との交流やヤシの木が茂る街並みに魅了され、当時は数少なかった日本語学校に飛び込みで面接をお願いし、雇っていただいたのが始まりです。

中学校のあの恩師がいらっしゃらなければ、今頃はきっと故郷の山梨県の田舎で野菜を作っていたと思います。

人生は何がどこでどうなるか分かりませんね。

 

文化ランゲージスクールには日本語を勉強されている生徒さんはどの位いらっしゃいますか

 

水崎先生:1000人くらいです。

年齢層は幅広く、初級クラスの生徒さんは10代後半から20代前半ですが、ビジネス日本語のクラスになると30、40代になりますね。

生徒さんの割合としては、シンガポール人が90%、ヨーロッパ系の方が5%、あとは永住権か就労ビザをお持ちのマレーシア人やインドネシア人です。

 

教師の方は、何人ぐらいいらっしゃるんですか?

 

水崎先生:常勤が8名と非常勤が7名で、全員日本人で日本語教師の資格保持者です。

色々な生徒さんを教える上で難しいことや気を使うところはありますか

 

水崎先生:私が教えているのは比較的上のクラスなのですが、そこに来るころには変な発音が習慣化してしまっていて修正が難しいです。

促音や長音を無視してしまうので、「学校」が「がこ」、「ちょっと」が「ちょと」になってしまいます。

でも、もう上級レベルになる方達は大人なので、あまりしつこく注意するのも難しいですね。

あとは助詞の「て」「に」「を」「は」が混同されがちなので、授業の中では何度も繰り返し使って刷り込むようにしています。

 

生徒さんによってモチベーションも違うと思いますが、やる気を出してもらうための取り組みなどありますか

 

水崎先生:仕事帰りやお休みの日を利用して来てくださる生徒さんが大半です。従って、どうしてもクラスの時間帯と仕事との折り合いがつかなくなって辞めざるを得ないという生徒さんもいらっしゃいます。ただ、本当に興味や必要性のある方は、出来る限り自分のスケジュールを合わせて続けてくださいますので、当校の教師陣には楽しくわかりやすい授業を心掛け、毎回、生徒さんに満足感を持って帰っていただくような授業をお願いしています。

コーヒーブレイクという時間を設けて、語学だけでなく、文化紹介も兼ねてカルタや折り紙をしたりして、生徒さん同士を仲良くさせる工夫もしています。

 

日本語能力試験は難しい?

日本語能力試験だと、一番下のN5から一番上のN1までありますが、どのレベルの方が一番多いのでしょうか

 

水崎先生:学習経験をお持ちの方は、プレースメントテストを受けて途中レベルから入れますが、やはりゼロ知識で、初級、中級、上級と進む方が大半を占めています。現在、当校の上級クラスに在籍の生徒さんの半数以上は、当校で10年以上続けていてくださる方です。

割合としてはどのくらいでしょうか

 

水崎先生:N5レベル到達までの勉強時間の目安は100時間です。そこに到達するまでの初心者レベルの方が多く、全体の60%を占めていますが、継続率は、上に進むに従って減少する傾向にあります。形としては、ピラミッド型になります。

 

N3とN2は難易度の差は結構ありますか

 

水崎先生:そうですね。

日本語能力試験は2009年までの旧試験ではレベル分けが4級〜1級となっていましたが、現在ではN5〜N1という構成になっています。

従来の2級の文法項目の一部がN3に含まれ、1級の一部がにN2に含まれるようになったため、N1はかなり難しくなったと思います。

 

ある程度日本語を話せる方でも敬語が難しいと言う方は多いですよね

 

水崎先生:ビジネスシーンで使う日本語は難しいですね。

当校では敬語だけでなくて生徒さんが日本人社会に身を置いた際に、日本人に好印象を与えられるように、可愛がってもらえるようにと、マナーに関してもかなり厳しく指導しています。発音にしても聞き辛い日本語は相手に苦痛を与えてしまうので、注意するように教えています。

 

日本企業への就職を目標とするとどのくらいの勉強が必要でしょうか

 

水崎先生:一番上のビジネス日本語のクラスに入れる方は、日本語能力試験のN2かN1保持者です。N2ですと最低600時間、N1だと900時間の勉強が必要になります。

 

 

中 友美
A-LINE株式会社 代表取締役社長 シンカナース編集長
北区医師会看護高等専修学校 東京都立公衆衛生看護専門学校 東洋大学文学部国文学科 明治大学大学院グローバルビジネス研究科 経営管理修士(MBA) 日本大学大学院総合社会情報研究科 博士後期課程在学中 ニュージーランド留学 A-LINE株式会社/代表取締役社長 東京医科歯科大学非常勤講師 著書『わたしの仕事シリーズ2 看護師』新水社