No.18 溝呂木大介様・鈴木夕輝様(ローズ療養通所介護)「せっかくなら楽しく働きたい」2/4

インタビュー

1/4に続き、ローズ療養通所介護の溝呂木大介施設長、鈴木夕輝看護主任のインタビューをお届けします。

2/4では、鈴木さんの揺るがない看護観、ローズ療養通所介護の現状と特徴について伺っています。 

溝呂木さんの右腕として、ローズ療養通所介護の看護主任となった鈴木さん。

彼女が大切にしている仕事のモットーは、スタッフや利用者さんも幸せにしているようです。

モットーは”楽しく笑顔で”

それってすごく大事なことですよね。

鈴木:人生って仕事している時間が一番長いので、お金のためと思って働くのも大事ですけど、せっかくなら楽しく働きたいし気の合う人たちと働きたいなと思って。

今までもずっとそういうスタンスでしたか?

鈴木:そうですね。 最初に就職した病院も新人の数年は大変でしたけど、スタッフには恵まれて、居心地のいいところで働けましたね。

仕事の大変さはもちろんありましたが、人間関係で悩むことはありませんでした。

最初の就職先はどちらを選んだのですか?

鈴木:療養病院でした。

病棟に配属されたのですが、療養病院でしたので高齢の患者さんが多く入院されていました。

外科のドクターがいたので、手術や処置、治療があって、幅広い経験ができましたね。

療養病院で外科の手術というと、例えばどんな手術をするんですか?

鈴木:胃がんの手術だったり人工肛門の造設等ですね。

就職して5年ぐらいしたところで病院を建て変えることになり、それ以後外科はなくなってしまいましたが・・・。

そこの病院を選んだ理由は?

鈴木:病院から奨学金をもらっていたので、その関係で就職しました。

小さいときから看護師になりたいと思っていたわけではなく、ちょうど私が高校卒業する時って不景気だったんですね。

まだ若いし気楽に考えていればなんとかなるかなと思っていたのですが、親が許すはずもなく、母が同じ病院で看護助手として働いていて、働きながら看護学校に行けるということで勧められ、入学しました。

本当は高野フルーツパーラーで働くのが夢だったんですよ(笑)

譲れなかったポリシー

病院勤務はどのくらい続けたのですか?

鈴木:その病院を1回辞めてまた戻って、トータルで15年ほど勤務しました。

1回辞めた後はどちらで働いていたのですか?

鈴木:総合病院の消化器内科病棟で働きました。

忙しくも楽しかったのですが、そこで働いている看護師たちと価値観を共有することが難しくて悩みましたね。

比較的自立している患者さんが多かったのですが、中には寝たきりの患者さんもいて、そういう方たちの身体やベッド周りがとても汚かったんですね。

そういうのを見てしまうと我慢できないですよね。

鈴木:そうなんです。私が1日休んだだけでガーゼが汚れる位陰部が汚れていたりして、そういう環境が耐えられなくて。

でも、私が辞めたらこの人たちの陰部が汚れたままになってしまう、という葛藤もあってしばらく迷いましたが、私のポリシーとあまりにもかけ離れている職場環境だったので退職しました。

消化器に関する検査や疾患を勉強できたことについては、今も役立てることができていますからよかったと思っています。

そういう意味では楽しかったですけどね。 

病棟に1人でもロールモデルになる人がいて、引っ張っていっていればいいですけどね。

その後また療養病院に戻るんですね。

鈴木:訪問入浴と療養病院、2つの仕事を非常勤で勤務していました。

その時に「お家に行く」ということを学ぶ機会を持てましたね。

在宅で療養する人、病院で療養する人、家族との関わりも含めて漠然とではありますがそこで知ることができました。

”その人らしく”を叶える療養通所介護

こちらは訪問看護事業も行っていますが、療養通所介護を始めることになった背景について教えてください。

溝呂木:訪問看護を利用している方たちの中で、いくつか共通した課題があることがわかったんです。

1.常に医療を必要としている身体的状況

2.エレベーターのない2階以上での療養生活

3.利用者さんの満足のいく入浴環境の提供ができていない

4.家族の介護負担増強

こういった現状をなんとかしたいと考え、療養通所介護事業を始めることになりました。

当施設では、訪問看護と併用することで療養通所介護を利用することができます。

開設当初は、福祉施設に指示書を出してくれる医師が少なかったのですが、訪問看護との併用をお願いしていることもあって、訪問看護指示書に「別紙」という形でここで使用する指示書の記載をお願いできるようになりました。

7年という年月が経過した現在は、医師の協力や理解も進み、いい関係性を得られるようになってきています。

ここならではの特徴はありますか?

溝呂木:デイサービスというと、みんなで体操をしたりといった集団でプログラムを行うことが多いのですが、当施設では「集団レクレーションをやらない」ことを決めており、それが1つの特徴となっています。

その時間は何をして過ごすのですか?

溝呂木:レクレーションにあてる時間を個別入浴の時間として活用し、6人の利用者さん1人1人に「一番風呂」を提供しているんです。

1人1人にですか?

溝呂木:はい。毎回お湯を入れ替えますし、清掃もします。

個別入浴ですので、入浴時間も利用者さんが満足できる十分な時間を確保することができます。

また、食事で提供する食器もプラスチックではなく本物の食器を使うようにしています。

デザインや色彩にこだわって選んだものなので、利用者さんからも喜んでいただけていますよ。

お風呂も食事も利用者さんの希望に沿うもので、家庭的な雰囲気を感じられますね。


溝呂木:また、家の中で引きこもっていた人たちと地域のつながりをつくってほしいという思いもあり、隣にあるお花屋さんの協力もあって利用者さんが外出する機会を設けています。

お店が開いている時はいつでもレクレーションルームとして使っていいですよ、と言ってくれているんです。

代わりにお花屋さんが夏休み中は、スタッフや利用者さんとでお花の水やりをするといったいい関係を築くことができています。

どんな状態にあっても地域と触れ合う機会は失いたくないですものね。

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・No.18 溝呂木大介様・鈴木夕輝様(ローズ療養通所介護様)「あったかい家庭的な場を作りたい」1/4

・No.18 溝呂木大介様・鈴木夕輝様(ローズ療養通所介護様)「 1人でも多くの方に利用していただきたい」3/4

・No.18 溝呂木大介様・鈴木夕輝様(ローズ療養通所介護様)「笑顔で働いていられる場所」4/4

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