・No.19 メリック壽子様(ペックシティクリニック様)「ドクター始め、医療職すべてが更新制」3/4

・No.19 メリック壽子様(ペックシティクリニック様)「ドクター始め、医療職すべてが更新制」3/4

  • 2017年5月13日
  • インタビュー 海外看護
・No.19 メリック壽子様(ペックシティクリニック様)「ドクター始め、医療職すべてが更新制」3/4
・No.19 メリック壽子様(ペックシティクリニック様)「ドクター始め、医療職すべてが更新制」3/4

1/42/4に続き、ペックシティクリニックの看護師、メリック壽子様のインタビューをお届けします。

3/4では、オーストラリアの看護師制度、現職につくまでのお話について伺っています。

日本でも看護師免許が更新制になったら・・・と考えながらお読みください。

 

免許更新制で求められるスキルアップ

 

患者さんもナースもドクターも同じ立場なんですね。

 

壽子:それはありますね。

ただ、医療チームとして勤務しているので、教育レベルも同じにもっていかないと同等とは言えないんですよ。

 

看護師の教育が大学制度ではない。

これでは医療チームに入れないからもっと教育レベルを高くしなければという流れが起こり、勤務を始めて数年、1980年代にオーストラリア各州で一斉に看護教育が大学化されました。

 

看護師は卒業するとインターンのような実習をして外科・内科・特殊(ICUや救急)に分かれてお給料をもらいながら1年間の研修をやるんです。

もちろん研修する病院も自分で探しますよ。

大学からいくつか候補はもらっていますが、自分で申し込んで面接を受けるんです。

 

1年間の研修が終わって外科系に行きたいとなったら、多くのナースは12〜18ヶ月間、大学で行われる専門コースを選択し専門性を高めていきます。

働きながら週2日勉強、といったペースで進める人が多いようです。

 

他には、私は看護師と助産師の免許持っていますが、毎年免許を更新する必要があります。

これはドクター始め、医療職すべてが更新制です。

 

例えばこのセミナーに参加したら2ポイント、この文献を読んでまとめたら3ポイント、というようにとても細かく決まっていて、年間20ポイント以上とらないと更新できないんです。

 

毎年そのことを意識していないといけませんね。

現場勤務以外にも勉強を続けないといけないわけですから、1度とって終わりではないんですね。

 

壽子:そうですね。

免許としては持ち続けられますが、更新は毎年しないと働けません。

黙っていればわからないかもしれませんが、雇用者側としてはチェックする必要がありますから。

 

雇用者側に義務があるんですか?

 

壽子:そうなんです。

ここでもそうですけど、必ず更新したという証明を求められます。

たまに忘れている時もあって、例えば今日で切れたとして更新していなかったら明日から勤務できない。

させてはいけないんです。

勤務させてしまったら雇用者側が罰金になります。

だから病院勤務していた時は「忘れないで更新しなさい」とよく言われましたね。

今日で切れるとなったら「今から更新していらっしゃい」と。

今はインターネットでできるので問題ないんですけど、昔は看護協会に行かなければならなかったので大変でしたね。

看護師としてのポイントと助産師としてのポイントは別々なのですか?

 

壽子:そうです。

両方を更新しなければならないんです。

今の私の仕事はペーパーワークが多いので更新しなくてもいいんですけどね。

オーストラリアはドクターもナースも定年がないので、どこでもいつまででも働けることも特徴でしょうか。

 

たどりついた看護師として働き方

 

今の仕事をするきっかっけはどのようなことだったのでしょうか?

 

壽子:以前勤務していた病院に、骨盤骨折で入院している日本人の高齢者の方がいました。

退院許可は出たものの1人で帰国できない状況でした。

医療通訳の学校に通って資格をとったこともあって、私は通訳としてその方と関わっていたのですが、彼女が加入している保険会社から「搬送をお願いしたい」と連絡があったんです。

よく話を聞いてみたら「娘がいるけど英語ができないから日本に帰しました。通訳をしてくれている日本人看護師さんがいるので彼女に連れて帰ってもらってもいいですか?」と彼女が保険会社と掛けあっていて、私のいないところで話が進んでいたんです。

保険会社から搬送経験について聞かれたので、それまで新生児を病院に搬送したことは何回もありましたから、それを伝えたら「お願いしたい」となって、そこから患者搬送の仕事が始まりました。

最初は病院勤務と通訳と搬送をかけもちでやっていたんです。

搬送の仕事はある程度日数が必要なので、フルタイムしながらですとなかなか難しいんですね。

でも当時の師長が「おみやげ買ってきてくれるんだったら休みとらせてあげる」と言ってくれるおもしろい人で(笑)。

それで病院勤務と搬送の仕事を両立できることになりました。

搬送の仕事が入った時は他の人と勤務交代してもらって。年間6000件の分娩があって忙しい病院だったんですけど、常に助産師が30数人いて、毎回のシフトに10人前後勤務していたので、交代してくれる人が多かったんです。

そういう環境にいたこともよかったですね。

10数年前、たまたまある保険会社から「直接やりとりしたい」と声をかけられて、それをきっかけにドクターと一緒にアシスタント会社を始めることになりました。

 

会社ではどのような業務を扱っていらっしゃるのですか?

 

壽子:主にオーストラリア全土、ニュージーランドを対象に、海外旅行保険に加入した人で病気やケガをした人たちのアシスタントをします。

具体的には病院への支払いだったり、ドクターから診断書をとりつけたり、交通事故後の警察とのやりとりなど多岐に渡ります。

亡くなられた場合は葬儀屋さんの手配もします。

 

その時に病院を退職されたのですか?

 

壽子:はい。でもその時はそんなに搬送の案件がなくて、会社だけでは今後どうなるか不安だったので、同じ時期に外来を立ち上げました。

最初は大きな病院の1室を借りてやっていたんですが、ちょっと街から離れていたんですね。

日本人の患者さん、主にワーキングホリデーか留学で来ている学生さんにアクセスしやすい場所がいいと思い、今の場所に移ってきました。

内科系がメインのクリニックです。

クリニック、オーストラリアでいう一般外来(GP)を受診して必要であれば各専門医に紹介というふうに進んでいきます。

ここでしたら通訳者は常勤していますし、通訳が必要で、保険会社が通訳料をカバーするということであれば通訳者の派遣もしています。

 

 

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病院概要

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中 友美
A-LINE株式会社 代表取締役社長 シンカナース編集長
北区医師会看護高等専修学校 東京都立公衆衛生看護専門学校 東洋大学文学部国文学科 明治大学大学院グローバルビジネス研究科 経営管理修士(MBA) 日本大学大学院総合社会情報研究科 博士後期課程在学中 ニュージーランド留学 A-LINE株式会社/代表取締役社長 東京医科歯科大学非常勤講師 著書『わたしの仕事シリーズ2 看護師』新水社