看護師の感情のコントロール イライラしない4つのポイント

コラム

「患者に選ばれる病院になる」「患者に選ばれる看護師になる」という言葉は耳にしますが、その反対の患者を選ぶことは出来ません。

しかしながら、患者に対して陰性感情(嫌な気持ち)を持ってしまったという経験のある方もおられるのではないでしょうか。

陰性感情を持ってしまうとパフォーマンスの高い看護をすることができなくなるのは言うまでもありません。

※陰性感情とは、「怒り」「憎しみ」「恨み」「嫌悪」「腹がたつ」などの好ましくない感情を指す

ナースの仕事は感情労働

嫌なことをされたり言われたりしたら、嫌に感じることは、普通のことなのです。

しかし、残念ながらナースの仕事は、「感情労働」と言われています。

感情労働とは、感情を抑制したり緊張や忍耐を絶対必要とする仕事のことを言います。

客室乗務員や介護職、教員、接客業なども感情労働と言われます。

つまり、クレーマーや理不尽なことを言うユーザーに対する対応が必要で自分自身の感情をコントロールを必要とする職業なのです。

なぜ人は怒る?怒らないためには?

相手の反応が自分が期待している範囲から逸脱した時に人は、怒ることが多い。

「何回教えても同じことを何度も聞いてくる」ということを誰もが一度は経験しているだろう。

無意識に「教えたことを一度で覚えてもらいたい」「一回言ったら覚えられるだろう」と勝手に私たちは相手へ期待をしているのです。

その期待から外れた反応をしたり繰り返されると人は、怒りの感情が作り出されるのです。この怒りの経験の積み重ねがやがて、陰性感情に繋がってくのではないでしょうか。

では、どうすべきか。

「意識的に期待しない」そのようなことは、果たして可能なのでしょうか。

陰性感情を持たない工夫

1)攻撃されない工夫

ひとたび、攻撃を受けてしまうと陰性感情が生まれてしまいます。

相手を興奮させないようにする必要があるのです。

あらかじめ対象者が興奮しやすいと分かっている場合は、あらかじめ関係性が構築されている人が対応すること良いでしょう。

少なくとも自分は攻撃の対象にはなりにくくなり、対象者との対応はスムーズに運ぶことが多くなります。

2)対象者を受け入れる努力

自分の理論や思考をいくら押し付けても対象者は、別の思考を持っている訳ですから話はいつまで経っても平行線。

対象者を受け入れ、対象者の思考の中で対応することでうまくいくことがあります。

対象者の言い分を全て飲むと言うことではなく、対象者の思考の中で対応することで理解を支援すると言うことです。

理解を支援することができれば、こちらの対応もしやすくなるのです。

3)身の丈を知る

身の丈を見誤るとトラブルに発展することがあります。

例えば、自分の持っているスキル以上のことをしようとしたり、自分の立場を過大に評価したりすると失敗したり対象者の怒りを買うことがあります。

身の丈に合った自分にできる限界の中で対応することが重要となります。

4)自分は、対象者のことを知らないと言うことを知る

対象者がどのようなことを考えているかを知ったつもりになるから、「この位の常識を持っていて当たり前だろう」と勝手に期待をしてしまうのです。

対象者のことを自分は分かっていないというところからスタートすれば、勝手な期待もすることは少なくなりますし、対象者の訴えに耳を傾けることができるようになります。

耳を傾ける姿勢だけでも伝われば、対象者の満足にも繋がっていく可能性は広がります。

 

これらのことは、必ずしも患者に限ったことではなく、同僚や上司にも適用することができます。

円滑な職場作りや人間関係作りにも役立ててみては如何でしょうか。