看護師のキャリア〜海外勤務に挑戦!するマエの心構え〜

コラム

看護師のキャリアは多岐にわたります。看護学生時代から自らのキャリアプランを立てる授業を受けている人もいると思いますが、キャリアプランを考えたこともなく、とにかく学校を卒業しよう!国家試験に合格しよう!日々の業務に追われて将来のことなど考えられない!という人もいることでしょう。

看護師というベースを活かして、将来的にどんな活躍ができるか?キャリアプランにはどんなものがあるか?ということを考える意味でも、看護師の様々なキャリアをまずは知ることから始めてみましょう。今回はその中でも「海外勤務」に挑戦する事前の心構えについて紹介します。

海外でも看護師の資格はそのまま使える?

海外で勤務すると言っても、まず選択するものとして「国」をどこにするか?ということが大きなポイントとなります。国によって看護師の資格をどのように切り替えるか?など制度も様々です。

■日本の看護師免許をそのまま使用

■追加科目の授業を受けて看護師免許を取得する

■学科は免除となるが、勤務国の言語試験と、看護師試験を受ける

■勤務国の言語試験に合格すれば、書類申請のみで看護師免許が取得できる

etc..

国によって免許取得方法も違います。多くの国では、書類申請だけでも、その国の言葉で行うわけですから、とても時間のかかる作業になります。国を決定したら、次に日本取得した看護師免許の効力が、どの範囲かということを知らなければなりません。シンガポールでは、日本人のみ診察するという規定に基づいた病院(クリニック)と、日本人以外も診察する病院では、資格申請も大きく異なるなど、勤務場所によっての申請方法にも違いがあります。

一般企業とは違い、看護師の場合は職場からいきなり「○○国へ異動してください!」と言われることはほぼないでしょう。ただ、海外青年協力隊や、NGOなどに参加する場合は、団体の取り決めに従うということはあるかもしれません。それでも、その団体へ志願する=おおよその地域は予想出来た上で志願されることになると思います。

アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジア、オセアニアなど海外といっても、様々な地域があります。隣の国でも制度は違うということも多々ありますので、まずは制度については調べる必要がありますね。

そこで何をしたいのか?

海外勤務は、言語習得を含め、多くの新しい学びが必須です。時には苦難に立ち向かう場面もあるでしょう。ただ、その時に「目標」や「私はここで○○をするんだ!」という意思がなければ継続が難しくなります。「そこで何をしたいのか?」ということを明確にすることで、多少の苦難であれば乗り越えるパワーとなるでしょう。逆にぼんやりとした憧れや、行けば何かあるかもしれないという甘い考えで海外に飛び出して、中途半端に投げ出すことになれば、多くの時間や多くの人たちの信頼をも失うことになりかねません。

海外と日本の違いを知る

国が決まり、何がしたいかも明確になったら、次はその国と日本の違いを知る必要があります。状況を確認せずに海外へ飛び出すと「え?これもないの?」「日本と全然違う」「こんなはずじゃなかった」と日本の医療現場と同様の物品がないと何も出来ない!ということにも。。。国によって医療環境は大きく異なります。保険制度の違いから、提供したい医療が提供できないということも出てくるかもしれません。それらを事前に調べずに日本の常識を世界に持ち込んでしまっては、勤務先でのギャップを生むばかりです。

新しいことも積極的に

違う、何で?と思うより「ここではこうなんだ!」と新しい習慣や方法を積極的取り入れるエネルギーが日本にいる数倍は必要になることでしょう。その練習の意味でも、海外勤務を決意したら、様々なことに興味を持ち、新しいことも積極的に参加したり、楽しみ上手になっておくと良いでしょう。国が違うのですから、言葉だけではなく、物価も食事方法も医療職の考え方も全てが違って当たり前!もし同じような部分を見つけたら「同じことがあった!」と思えるくらいにならなければ、海外生活ではストレスが溜まってしまいかねませねん。楽しむパワーを培っていきましょう!

 

〜看護師はとかく「井の中の蛙」になりがち。実際に海外勤務をキャリアプランに組み込む人は少ないかもしれませんが、こういう世界もあるということを知ることから始めてみるだけでも視野が広がり、より良い看護に繋がっていくのではないでしょうか〜

 

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