No.170 病院長 小林進様(総合高津中央病院)後編:看護師と医師は車の両輪

インタビュー

前編に続き、医療費削減も視野に入れた病院経営、新しい時代に期待される看護師の姿などを

語っていただきました。

医療費削減も視野に

中:お話を伺っていますと、医療の未来像が見えてくるような気がします。

今後、高齢化が進み患者数が増えていきますと、医療職者や病院経営者も「医療費は必要だ」と

訴えるだけではなく「どうすれば良いのか」を考え、削減できる医療費は削減する姿勢が必要になりますね。

小林:一番典型的な変化が、手術前後の抗生物質の使い方です。20年前と今とでは全く使用法が異なります。

かつては術後に漫然と抗生物質を投与していましたが、今は非常に短期間に絞り、

必要とされるケースでのみ使います。

これは耐性菌出現リスクを抑えるだけでなく、医療費の削減にも役に立っています。

この点はかなり大きく変わってきました。

中:先ほど貴院の特色として、鏡視下手術、リハビリ、血管内治療を挙げていただきましたので、

血管内治療についても少しお話しいただけますか。

小林:当院の心臓血管センターには11名のドクターおり、血管造影室も2部屋完備しています。

これは当院の規模では医師数、血管造影室数が多いと思います。

年間900例、血管造影を施行しています。

うち700例は治療目的での施行で、冠動脈が3割、末梢動脈が7割です。

家族を入院させられる病院

中:ハード面についてお伺いしてきましたので、ソフト面についておたずねします。

病院長というお立場で、経営上、日頃気をつけられていることなどがありましたらお聞かせください。

小林:当院には「医療を通じて地域社会に貢献します」という理念があるのですが、

それに加え「働きやすい、誇りを持って働くことのできる職場環境作り」というスローガンを掲げました。

誇りをもって働くことは非常に重要です。

もっとわかりやすく表現するとしたら、

自分の家族が病気になった時、入院させることができる病院にするということです。

その方法論の1つとして、職員全員に「患者さんに声をかけてください」とお願いをしました。

医師も看護師も事務職も、さらには警備スタッフ、物品搬送のスタッフにもお願いしました。

おそらく今、当院の中をお歩きになると、いろいろなスタッフから挨拶を受けると思います。

中:地域住民の方々に対しても声をかけていらっしゃるのですか。

小林:当院は公道を挟んで外来棟と入院棟がある特殊な立地条件にありますので

道路を歩いていてすれ違ったときには、皆さん挨拶しています。

声をかけるもう一つの目的は、やはり転倒予防などの医療安全です。

現在、事務長が中心になり、例えば転倒予防方法などを院内スタッフに熱心に伝達しています。

中:院長就任とともにそのような方針を打ち出されたのは、どのような経緯があったのでしょうか。

小林:以前勤務していた病院で、医療安全を担当していたので、その重要性を理解していたため、

当院にも持ち込んだということです。

先ほど申しましたPFMも同様です。

 

看護師と医者は車の両輪

 

中:病院運営についてさまざまなお話をお聞かせいただきましたが、そうした変化の中で、

看護師に対してはどのようなことを期待されていらっしゃいますか。

小林:私が医学を学んだ慈恵医大では「看護師と医者は車の両輪」と言われていました。

互いに協力して進めていかなければいけないという意味ですね。

互いに多忙な職務を遂行しつつ、具体的にどうすれば看護師と医師が常に情報共有でき、

リスクを減らすような環境を作れるのか、というのは永遠の課題です。

いまも常に改善策を探っています。

例えば医師事務作業補助者を採用し、看護師、医師事務作業補助者、医師のチームを作り、

三者が情報を共有し、各々が余裕をもって診療できる環境を目指しており、

この方法は事実うまくいっていると思います。

中:先生のご趣味についてお聞かせください。

小林:学生時代からずっとテニスを続けていて、今でも週2回やっています。

また、テニスを続けるには体力を作らないといけないものですから、毎日、朝夕に体操をしています。

テニスをすると体調の良し悪しもわかります。

健康管理には一番良いかな、と思っています。

血管内治療、鏡視下手術、リハビリを柱に

中:では最後に、看護師に向かってメッセージをお願いします。

小林:当院は、血管内治療、鏡視下手術、リハビリ、救急医療に力を入れている215床の急性期病院です。

また、地域に密着した病院を目指し、今年の10月から地域包括ケア病棟(41床)を作る予定です。

職員全員が、働きやすい、誇りをもって働くことのできる職場環境作りをスローガンに掲げ、

現在みんなで頑張っていますので、一度見学に来てください。

シンカナース編集長インタビュー後記

看護師も多忙な業務を日々遂行している。

自分たちでどんなに感じていても、やはり病院長がそれを理解していただけていると知ることで救われると思います。

小林先生のおっしゃられた「看護師と医師が常に情報共有でき、リスクを減らすような環境を作ることが課題」

というお話には、理解をしていただきながら、看護師に対して更なる期待も持ってくださっていることが分かりました。

「誇りをもって働くことのできる職場環境作りを」スローガンに掲げられ、

職員の皆様が一丸となって取り組まれている素敵な病院です。

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院紹介

小林院長インタビュー前編

小林院長インタビュー後編

Interview Team