日本とオーストラリアの看護について⑤ 看護師の判断による看護実践

日本とオーストラリアの看護について⑤ 看護師の判断による看護実践

  • 2016年10月21日
  • 海外看護
日本とオーストラリアの看護について⑤ 看護師の判断による看護実践
日本とオーストラリアの看護について⑤ 看護師の判断による看護実践

みなさん、こんにちは。

今回のテーマは前回予告させて頂いた通り、オーストラリアにおける「看護師の判断による看護実践」についてICU(集中治療室)での実習経験を基に紹介させて頂きたいと思います。

看護師の判断による薬剤流量調節と人工呼吸器管理

みなさんもご存じかとは思いますが、ICUでは多くの患者さんが輸液ポンプによる鎮静・鎮痛状態にあります。オーストラリアのICU看護師は医師から薬の処方を受けたのち、医師の追加指示を待つことなく「看護師の判断で薬剤の流量調節」ができます!痛みや不快感を伴う処置や検査、リハビリの前後、その他その時々の状況に応じて看護師の判断で積極的に鎮静/鎮痛剤の流量を増減し、患者さんの身体的/精神的負担の軽減につなげています。例えば、慎重な血圧管理が求められるクモ膜下出血の患者さんなどに対する血圧変動→鎮静剤の流量増減といった具合にその場で迅速な対応が可能です。(高すぎる血圧は再出血の危険が高まり、逆に低いと脳に十分な酸素が行き渡らないため。)

また、多くのICU患者さんが人工呼吸器による呼吸管理下にありますが、「人工呼吸器管理も看護師の重要な役割」のひとつです。血中の二酸化炭素上昇→呼吸数を増やして二酸化炭素の排出を促進、といった具合に、患者さんの血中酸素や二酸化炭素量に応じた換気量や呼吸数の調整を看護師の判断で行っています。

 

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治療方針への積極的な関わり

看護師の判断に委ねられる部分も大きいですが、こちらの看護師はとても発言力があります。患者さんの状態がこうだったので、こうしました/こうしたら良いのでは?といった具合に積極的にチームメンバーへの提案を行います。例えば、「術後1日目の患者さんがPCAの強い薬剤よりも経口薬を希望され、疼痛レベルも高くないため、疼痛ケアチームの判断を仰いだのちPRN(必要時のみの)経口鎮痛薬での疼痛管理に変更しました」など、看護師による積極的なチーム医療への関わりが見られます。

 

 

 

まとめ

オーストラリアの看護の特徴は看護師に委ねられる判断と責任の大きさです。責任感とチームの一員としてのやりがい、何より患者さんの一番近くにいるからこそ気づき、出来る看護があるように感じられました。もちろん法律的、制度的な制限はあれど、日本でも看護師だからこそ気づける患者さんの情報などを積極的にチーム内で共有し、患者さんにとって最善の医療提供に結び付けられたらと思います。次回は、そんな看護師ならではの気づきと患者さん中心の医療ケアについて少し紹介させて頂きたいと思います。

まいこ
日本の看護学校を卒業後約3年間手術室看護師として臨床経験を積んだ後、オーストラリアの大学に編入、現在はオーストラリアの看護師免許取得に向けて日々奮闘中。