病棟のクリスマス

コラム

クリスマスは休み希望争奪戦

クリスマス・イブの今日、クリスマスの明日、「残念ながら」日勤をする看護師はどのくらいいるでしょうか?一般的に土日が休みのビジネスパーソンと違って、シフト制で働く看護師にとって希望休日の獲得は毎月のしかかる難題です。毎月の勤務希望を出せるのは2日ないし3日。比較的若い看護師が働くことが多い病棟では、クリスマス前後の休み希望が重なり、勤務表を作る師長たちは頭を抱えることになります。そして、勤務表が出ると、誰の希望が通って誰の希望がダメだったか、その話題でもちきりになることも。

季節を感じにくい「病棟」という環境

病棟は基本的にルチンのスケジュールで動いていきます。起床に始まり検温・朝食・昼食・夕食・検温・消灯という具合に進み、合間に治療や処置、入浴などのケアが加わります。院外に出て仕事をすることもありませんから、春夏秋冬いつも同じ。散歩に出る時くらいが唯一季節を感じられる瞬間でしょうか。季節の変化を感じにくい入院患者さんに少しでも四季を感じてもらおうと、季節のイベントごとにロビーなどに飾りつけをしたり、祝日にはそれに合わせた食事が出たり病院でできる精一杯のことに取り組むのです。

病院でもクリスマスを楽しむ

中でもクリスマスは病院で最大級のイベントと言っても過言ではありません。病院で行われるクリスマスイベント5つを挙げてみました。

1.入院患者さんに手作りのクリスマスカードを書く 

2.付属の看護学校からキャンドルサービスがやってくる 

3.食事制限のない患者さんにはクリスマスのスペシャルランチorディナーが提供される 

4.キリスト教系の病院では賛美歌やコンサートが開催されることも 

5.小児科にサンタクロースがやってくる 

数日前から勤務の合間に患者さん全員にクリスマスカードを作ったことは、臨床時代のいい思い出となっています。残業して書くこともありましたが、普段は早く帰りたいと思うのに、なぜか心地いい時間でした。クリスマスツリーくらいしか季節感を感じられるものはありませんが、患者さん1人1人を想って渡す年に1度のイベントを私たち看護師も楽しんでいました。

 

また、入院生活の数少ない楽しみといえば食事でしょう。クリスマスやお正月などのイベント日にはイベント食が企画されます。クリスマスはローストチキンやケーキが載ったお膳を配膳した記憶があります。常食を食べられればいいですが、そうはいかないのが入院生活。クリスマス直前にイレウスを発症し楽しみのイベント食が絶食中で見送りになった患者さんを思い出します。配膳車が運んでくる食事のにおいが食べられない彼にとっては毎回地獄だったようです。

 

今日もたくさんの病院でクリスマスイベントが開催されることでしょう。

Merry Christmas!

皆さん素敵なクリスマスを。